旋律的 林巧公式ブログ

旅とおばけと音楽と、小説とごちそうと物語について。

好きな妖怪は?

 妖怪はひとつ残らず、みんな好きです。“この世に悪い妖怪はいません……”というのは、鳥取県境港市に“水木しげるロード”が計画されているとき、妖怪をいいものと悪ものの二派に分けて欲しい(そして、その二派による妖怪たちの戦いを“水木しげるロード”で演出したい)といわれて、水木しげる氏が漏らした苦渋の名文句ですが、まったくおなじ想いです。
 だから、好きな妖怪は刻々と変わります。敢えて挙げるなら、“ろくろっ首”、“おとろし”、“つるべ落とし”、“うわん”、“ぬけ首”など、首の変幻にかかわって、みたひとをあっと驚かせる妖怪が好きです。この仲間は「稲生物怪録」にもとても魅惑的なかたちで記されています。
 そして、ボルネオには“ポンティアナ”という名の、内蔵をだらりとぶらさげて飛ぶ、やはり魅惑的な“ぬけ首”の妖怪がいます。
 首が飛ぶ、ということを、信じられるかどうか、……そうした情景をすっと心に思い浮かべられるかどうか……が、そのひとが妖怪たちの世界から“招かれているか”どうかを占う、ひとつの試金石となるような気がします。


……「怪」vol.16より