旋律的 林巧公式ブログ

旅とおばけと音楽と、小説とごちそうと物語について。

復活祭前夜

 フィレンツェサンタ・マリア・ノヴェッラ駅からほど近いトラットリア(trattria / 食堂。より格が高い店がristorante、居酒屋を兼ねる食堂はosteria) “I due G” で、ディナー。この旅で二度めの、ビステッカ・アラ・フィオレンティーナ(Bistecca alla Fiorentina / フィレンツェ風ステーキ)。他に、ピッチ・グアンチャーレ・エ・ペコリーノ(Pici Guanciale e pecorino / 豚のほお肉の塩づけとペコリーノ・チーズのピッチ。piciは、うどんのように太く、こしが強い、トスカーナ州の伝統的な手打ち麺。guancialeは、豚ほお肉の塩づけ)、タッリョリーニ・アイ・フンギ・ポルチーニ (Tagliolini ai funghi porcini / ポルチーニ茸のタッリョリーニ)、リゾット・ヴェルデ( Risotto verde / ほうれん草とチーズの緑のリゾット)など。ハウス・ワインは、キャンティの1.5Lボトル。壁に掲げられた、たくさんの絵を観ながら、料理を待つのが楽しい。料理は穏やかな味付けで、トスカーナ料理の清々しさを満喫でき、テーブルの居心地もすこぶる良く、くつろげる。隣の席に、イタリア人の兄弟らしき、男ふたり連れがいて、社交的な会話が一切ないまま、黙々とビステッカ・アラ・フィオレンティーナを食べていた。きっと弟に何かいいことでもあり、兄貴が、旨い肉を食わしてやる、と、連れ出したのだろう。
 夜、九時過ぎ、いい酔い心地で、ドゥオーモ近くまで帰ってくると、太鼓の響きが聞こえてくる。音がした方へ駆け出すと、中世の衣裳を身にまとい、メディチ家の紋章旗を掲げたひとたちのパレードがはじまっていた。行列は長く、活気だっていて、フィレンツェの街はもうお祭り気分だ。そう、明日(2013年3月31日)は、復活祭だ!